患者のQOLの向上を目指して、心を込めたサービスを展開
超高齢社会の到来と共に地域医療連携が薬局運営においても鍵となる。
当法人が運営する3店舗目の薬局として2013年3月にオープンした撫子平尾薬局(大阪市大正区)は「患者様のQOLの向上を目指して」との理念を掲げ、その達成に向けてスタッフ一同が協力しながら、常に誠実で真心のこもった医療・介護サービスを提供している。
撫子平尾薬局は、大阪市大正区のサンクス平尾(平尾商店街)の一角に位置する。
大正区自体は運河に囲まれ、他区とは全て橋でつながるという地理的特性を持つ。
それだけに、医療のあり方も同区内で完結的に対処できるよう病院、診療所、薬局などの医療連携が緊密な状況にある。
宮本代表は「連携する医療機関の分業率も高く、地域の患者は、近くの薬局を上手に利用している地域でもある」とエリア特性を説明する。
同薬局の処方箋応需枚数は1日平均50~60枚で、近隣の内科・小児科・循環器科の処方箋応需が中心。宮本は薬局の姿勢として「患者様の心をしっかりと理解し、対話を通じて、心の通い合う医療を大切に考えておられるドクターの気持ちを妨げないよう努力している」と話す。
そうした取り組みのツールとして一役買っているのが、同薬局で導入しているグッドサイクルシステムのiPadを活用した電子薬歴「GooCo」の活用だ。
GooCoの特徴は、iPadによる指1本で簡単な操作性を有する点。サマリー、処方変化、指導歴を素早く閲覧でき、入力も一画面で対応。
また、タッチパネルモニターの使用で患者に服薬指導などの説明を行いながらの操作も簡単にできるという特徴がある。
同薬局ではGooCo導入により、薬歴情報を薬剤師間で共有。患者への服薬指導や薬歴管理等の入力など、薬局業務効率化につなげている。
現在、GooCo搭載のiPad3台を導入し、うち1台は在宅医療の現場で活用を始めている。
常に誠実な服薬指導へ‐「スマート薬歴」が活躍
高血圧症状の患者の中には降圧剤だけでなく、SSRIやSNRI等の抗うつ薬を服用しているケースも散見される。
「GooCoはこうした錠剤数が多い処方箋に対して服薬指導がしやすい電子薬歴。
心のナイーブな部分を薬歴として適切に申し送りとして入力しておけば、次の薬剤師が薬歴を開けた瞬間に画面を閲覧するだけで、患者情報の確認作業も分かりやすく、最小限に抑えることができる」
と高く評価する。
在宅医療の現場では、処方医と同行する際にも
「同種同効薬や薬剤規格等についての質問にも、GooCo活用で瞬時に対応できる点が理想的」という。
同薬局では、在宅現場で活用するiPadにオプションとして訪問薬剤管理支援ソフト「すらすら」も搭載。
「薬局にいなくとも、訪問服薬指導の現場で手書き記入した内容が、そのまま電子化されるため、薬剤服用歴への記録作業や報告書作成業務を大幅に軽減できる、非常に便利なツールとして活用している」と満足のいく使用感であることを強調する。
数多い在宅現場での確認作業
宮本代表は茨木市薬剤師会の在宅療養部会の担当理事を務め、日頃から在宅医療の現場で薬剤師が行う訪問薬剤管理指導・居宅療養管理指導の推進と質の向上、医療機関・他職種との連携業務などを推進。
自らも在宅医療の現場に薬剤師として赴いている。
そうした経験からも、宮本代表は「まず在宅における服薬管理、在庫確認ができ、iPadのカメラで撮影したデータを薬局内の薬剤師に伝えることができるのもGooCoの利点」だと説明する。
また、在宅医療の現場では残薬の確認が重要な仕事にもなるが「在宅現場で、認知症の患者さんとマンツーマンで対応する際、薬を渡した、渡していない等のトラブル時にも問題解決ができる」と話す。
電子薬歴の導入については、「他社のシステムと比較し検討したが、在宅医療の現場に持ち込むことができるという点を評価した」という。
「GooCoの使用方法は在宅医療への取り組みが進んでいけば、なお一層使える範囲も広がると思う。
さらなる有効活用に向けて、職員と共に検討を進めている」と期待を寄せる。
さらには、プラナリアが展開する他薬局においても、90床のケアハウスへの在宅医療に対応する計画で、電子薬歴としてGooCoの導入を決めている。
今後、在宅医療の展開については「医療機関のニーズに対応しながら、今後は少しずつ増やしていく」とする宮本代表。今後の取り組みが注目されるところだ。
グッドサイクルシステム
http://goodcycle.net/